主に3つの供給部から
①トップフィード、
②サイドフィード
③液体添加から構成されます
①トップフィード
トップフィードとは混錬コンパウンドを行う主材料の樹脂を最初に投入するシリンダの一番手前(根本)の上方に付いているホッパー及びフィーダを指します。 当社のフィーダは容量式コイルフィーダと呼ばれる材料の搬送機です。
②サイドフィード
サイドフィードとは粉体状やペレット状の副材料を投入するホッパー及びフィーダを指し、トップフィード同様の容量式フィーダです。 サイドフィードはシリンダの中間部に接続されます。 当社2軸混錬機にはC1~C6の6か所のヒーターゾーンがあり、C3ゾーンにサイドフィードを接続する為のシリンダ開口部があります。
トップフィードとの最も異なる点はシリンダ部への材料の搬送方法です。 サイド=横から材料搬送の為、サイドフィードにはスクリューが必要です。 サイドフィードには二軸のスクリューが内蔵され、ホッパー➡コイルフィーダ➡シュート➡スクリューの順に材料を搬送し、シリンダ内に様々な副材料を投入します。 スクリューが必要な理由は横から材料を投入する為の推進力とシリンダ内の樹脂に阻害されないようにスクリューで強制的に押し込む必要があるからです。
③液体添加装置
液体添加装置は液体状の副材料をシリンダー内に直接投入する為の装置です。 高機能樹脂のコンパウンドには副材料が液体状の材料も多く、様々な副材料を複数投入する場合などに非常に効果的です。 当社の液体添加装置ではソースやマヨネーズ程度の粘度の液体材料まで投入可能です。
様々な原料の投入方法! 先週号で混錬コンパウンドの原料搬送装置についてお伝えしましたところ、 『搬送装置の台数分しか材料は投入できないのでしょうか?』との有り難いお問い合わせを頂戴しましたので、 今週は熱可塑性樹脂・フィラー・粉体/液体添加剤など、原料ごとの投入方法や複数配合時の材料投入方法についてお伝えします。
熱可塑性樹脂
主原料の熱可塑性樹脂は、ほぼトップフィードから投入します。 熱可塑性樹脂はペレットが大半ですが、ペレット用搬送コイルと粉末用搬送コイルの変更が可能な為、粉体状の熱可塑性樹脂の投入も可能です。
最近ではリサイクル材料を中心にフレーク状や粉砕品など様々な形状も多く、当社では形状に応じた投入方法をご提案します。
液体材料
代表的な液体添加剤は可塑剤です。可塑剤には粉末状以外に油のような液体状も多く使用されます。 また最近では分散液に配合されたナノフィラーも多いとお聞きします。。 ナノフィラーとは、nm(ナノメートル)=10億分の1mの粒子状充填剤。金属や炭素系素材などを粉砕機にかけプラズマなどを利用して表面の状態を整え、10~数十nmの微細粒子にしたものです。 これら液体材料は液体添加装置より投入します。 当社の液体添加装置はギアポンプ式で、ソースやマヨネーズ程度の粘度まで搬送可能です。 加温ヒーターは100℃までの温度調整で粘度コントロールも可能です。
複数材料の投入方法
先週お伝えしましたトップフィード、サイドフィード、液体添加装置の搬送装置だけでは3つの材料しか投入できないように捉えられますが、 当社ではこれまでに最大10品種の材料投入実績もございます。 複数材料の投入例 トップフィード:ペレット+粉末材料ドライブレンド投入 サイドフィード:複数粉末材料ドライブレンド投入 液体添加装置 :液体状添加剤投入
添加剤・フィラーの高充填
機能性樹脂開発には熱可塑性樹脂への添加剤やフィラーの高充填化が求められます。添加剤やフィラーの配合率が50%を超える場合など、混錬溶融後のストランドに大きな影響を及ぼし、パサパサ・ボソボソでストランドが切れたり、ペレット化が困難なことも。
当社ではストランドの状況に応じ、経験豊富なオペレーターが適切に対応。ストランド状況を見極め、配合量の再検討、混錬ペレット化の技術提案を皆様とご相談し、 最適条件の高充填ペレット化を目指します。フィラー・天然素材などストランド化が困難な高充填コンパウンド化・マスターバッジ化も是非当社へご相談ください。
二軸混錬コンパウンド
新機能をもたらせる技
よく混ぜて練ると言う工程は一見簡単そうですが、原料樹脂と特性の異なる様々な素材は基本的にうまく混ざりません。多くは分離したり凝集したりします。分離や凝集を起こすとフィルム製膜時に強度や耐久性など皆様が求める物性や特性が落ち、高機能なフィルム化には均一に分散させる技術があります。
ナノ粒子のCNT(カーボンナノチューブ)、CNF(セルロースナノファイバー)、酸化チタンなど、ナノ分散技術は高機能複合材料(ポリマーコンポジット、ナノコンポジット)の研究開発に不可欠なキーワードです。ナノマテリアルはポリマー系コンポジットに限らず、食品、化粧品、医薬品や医療などのメディカル分野など、様々な分野での応用が期待されています。当社ではポリマーや熱可塑性樹脂以外の材料投入も承ります。様々な材料の混ぜる試作を是非当社でご検討ください。
可視化装置スペック
肉眼で確かめる
Baxの2軸混練押出機にはシリンダー内には可視化ウィンドウが5か所あり、シリンダー内部の樹脂の溶融状態や分配・分散状況を皆様の目でご覧頂くことが可能です。外部定点カメラも3基設置。
試作立ち合いが困難なお客様にも遠隔地でリアルタイムにご覧頂けるリモート試作をご提案させて頂きます。2軸混練押出機の混錬コンパウンド~Tダイ押出フィルム製膜まで、全ての工程の立ち合い試作、リモート試作で新たな機能性樹脂の研究開発の全てを皆様の目でご覧下さい。
ポリマーアロイ化
長所を活かしながら、短所の改善
高機能フィルムは単一のポリマーだけでは全ての要求特性を満たせないことが多く、特に耐衝撃性や剛性、耐熱性、フィルム成型性など、相反する特性をクリアする樹脂の研究開発が求められます。そこで特性が異なる複数の既存ポリマーを混錬し、それぞれの長所を活かしながら、短所の改善を図る技術がポリマーアロイです。樹脂の多くはフィラーなどの充填材や添加材料などを加えることで強度や耐衝撃性などの機械的性質が大きく改善されることはよく知られていますが、新たな性質そのものを付与することは困難です。また添加材料によって付与できる性能はある程度決まっており、もともとのプラスチックや樹脂がもつ苦手な部分=弱点はそのまま維持されます。ポリマーアロイは、複数の樹脂を物理的・化学的に相溶化させ、高機能フィルムの基礎となる新たな樹脂を生み出す為の技術です。
ポリマーコンポジット(高分子複合材料)
現在の未来素材の研究開発に欠かせない
フィラー添加による物性、機能性UP。機械物性、熱、電気、磁気、光、水など、目的の物性や機能性UPに繋がるフィラーを選定することで大きな効果が得られます。同じ目的や機能性UPにも様々なフィラーがあります。様々なフィラーを駆使することで、一つだけの目的
ではなく、複数の目的や機能性もUPします。当社の混錬コンパウンドでも複数のフィラーを複数の配合でコンパウンドすることも多く、更に多種多様な樹脂も組み合わせの試作も行います。厳密な目的や機能を目指し、無限の組み合わせのコンパウンド試作を当社でトライアルしてください!
樹脂 < 充填材
高充填コンパウンド & 高充填フィルム試作!
二軸混錬押出機 樹脂コンパウンド
超少量試作~量産までお手伝いいたします。
サンプル試作だけでも承ります。
【樹脂コンパウンディングからTダイフィルム成形までワンストップ】
高品質な一連試作をお届けします!
二軸混練押出機マシンSPEC
【最小100g】の樹脂の混錬コンパウンド試作に対応!(原料最低 500g )
【バレル内可視化ウィンド設置】で内部樹脂の溶融状況のリアルタイム可視化を実現!
【豊富なスクリューバリエーション】をご用意し、ポリマーアロイ化(高分散・高相溶性)を皆様にご提案させて頂きます。
ご希望のスクリューエレメントへ変更も承ります。
樹脂や配合により『より強く』。リサイクル材など『材料へのダメージ軽減策必要』など、みなさまのご要望に応じて、ご希望のスクリューエレメントへの変更が可能です。ご希望やご不明な点などありましたら、弊社技術者へお気軽にご相談ください。
上記記載内容以外でもお気軽にご要望お聞かせ下さい!
フィルム微粉末化
フィルムのリサイクルには、まず【粉砕化】が必要です。これまでの粉砕加工では5~10mm角程度の粉砕が限界でした。
これに当社が新たに導入したパウダーマシンを利用することで50~200μの微粉末化を実現!
微粉末化の重要性!
従来の粉砕加工では材料の形状やサイズが大き過ぎ、また不揃いになることが多く、2軸混練機への投入が不安定に。それが原因で安定吐出・安定加工に至らないケースがありました。今回【微粉末化】を実現したことで材料の安定投入~安定品質のリペレット化が可能になります!
また微粉末化には更に大きな効果も期待できます!
大きな微粉末効果!
微粉末だからこそ、添加剤やフィラーなど補強材との混錬性や分散性が大幅UP!また配合樹脂との相溶性UPの効果も期待大!
多品種複合新素材の開発に!
微粉末化により多品種・複数の材料を同時投入することが容易になり、複合素材の新素材開発にも有効です!
フィルム、シート化へ進まれるなら、
先ずはこちらから
研究・評価・開発にベストなサイズ
小型機なのにダイレクト&サンドラミも可能!
最初の一歩を200mm幅・最低2kg から
Tダイ押出ラミネート試作、
少量産の受託
押出ラミネートの試作~量産までお手伝いいたします。
技術・開発者にとって最高の環境です。
フィルム・シート成形
Tダイ単層押出装置
ロール面長 | 800mm |
---|---|
Tダイサイズ | 400mm、750mm、150㎜ |
製品厚み | 10μ~3mm(3000μ) |
押出量 |
高吐出スクリュー:連続稼動30Kg/h(試作運転Max 50kg/h)
低吐出スクリュー:連続稼動15kg/h(試作稼動Max 25kg/h) |
使用温度 | 350℃前後 最高500℃ |
生産速度 | 最大30m(分) |
実績 |
PET, PC, PA, PP, PE, EVA, PBT, PS, ABS, TPU,PMMA, PPS, PEEK, PI, 各種エラストマー 熱可塑性接着剤 |
主動電動機 | 30kwベクトルインバーター |
スクリュー |
55φ-36V ダルメージ付2ステージフルフライトスクリュー |
回転数 | 最高120rpm |
ギアポンプ |
理論吐出量 25cc/rev |
吐出量 | 最高50kg/h |
シリンダー | SACM645 |
加熱ゾーン | 8ゾーン |
加熱ヒーター | アルミ鋳込みヒーター カートリッジヒーター 容量 15kw |
クランプ方式 | シェルクランプ締付式 (2つ割) |
ブレーカープレート | 2個 |
単層Tダイ | 下向き単層型 コートハンガー式 フレキシブルリップ リップ調整ボルトによる厚み調整(成形しながら調整可能) 材質SCM435鋳造 樹脂流路部HCRメッキ カートリッジヒーター式加熱 最高温度500℃ |
キャスティング装置 | 水平3本ロール方式 |
ニップロール |
150Φ シリコンゴムロール 鏡面仕上 温調40~100°C |
キャストロール |
300Φ 鏡面ミラー硬質Crメッキ 温調50~180°C |
引取ロール |
250Φ 鏡面ミラー硬質Crメッキ 温調50~180°C |
エアナイフ |
温調最高350℃ |
繰出装置 |
最大幅750mm/最大巻径450Φ/最大100kg(2機:上下ダイレクト両面ラミ) |
付帯設備 |
真空ベント
窒素パージ |
主な4つの加工技術。画像をクリックください。
フィルム開発 Tダイ押出フィルム成形
最高温度 500℃
5KGからの研究開発・試作・テスト・受託加工
厚み:10μ~5㎜(5000μ)
片面ダイレクトラミネート、
ダイレクトサンドイッチラミネートも可能。
コートハンガー方式